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mental counseling

コラム

2019.05.23 

コラム

本当に「みんな」ですか?

こんにちは。

ほんの一部の人の行動や傾向を、まるでみんながそうしているように思ってしまったり、それを正しいと思い込んでしまうことはありませんか?

「今どきの若者はみんな」「今どきの親はみんな」「最近の高齢者はみんな」

こんな言葉をよく耳にします。でも、よく考えてみてください。こういう言葉を使うときって、たまたま見かけた人やマスコミに取り上げられた事例、そして、自分の体験を指して言うことがほとんどです。本当にみんながそうであるかなんて誰も知りませんし知る由もありません。

人、それぞれ。全てを一括りになんか出来ませんよね。

ほんの一握りの傾向をまるで全ての人がそうであるかのように思うのはとても狭い考え方だと思います。その狭い考え方が自分の生き方まで狭めてしまうとしたら非常にもったいないことだとも思います。そういう私も実は「みんな」という言葉に影響されていた一人です。

 
私の「みんな的」思考、やっちゃってた例



*私が中学生だった頃、「みんなが持っているから私も欲しい!」と言って部活で使うスポーツバッグを親にしつこくねだったことがあります。実際は仲良しの友達が2、3人持っていただけでした。親には「みんなが持っているわけないじゃん」と即答され、あえなく撃沈。真意は「友達と同じバッグが欲しい」だったので、そこを正直に言っていたら結果は違っていたかもしれませんね。

*子供に携帯電話やゲーム機を与えたきっかけは「みんなはどうなんだろう?」という視点から検討を始めたような気がします。自分なりの考えはありましたが、「みんな持っているよ」という子供の訴えかけに「みんなが持っているなら仲間はずれにならないように」という気持ちになったことは否めません。携帯電話を持つ必要性を感じていたので結果的に与えて良かったと思いますが、子供が言う「みんな」は「みんなじゃない」というカラクリがあることを忘れそうになった出来事はいくつもあります。

*起業したらキラキラする、という都市伝説(笑)。副業や起業で成功を収めた人の情報ばかりが目について、頑張れば自分も同じようになれると信じていました。自分が目指しているのはキラキラすることではなく、キラキラする人を増やすことだったのに、活躍している人を羨ましく妬ましく思う時期もありました。「みんな成功しているのになんで?」という気持ちは実は「あの人が成功(活躍)しているなら私だってできるはずなのに!」でした。

*「みんなね、ご主人が会社に行く前にゴミ捨てをしてくれるんだって」という嘘(笑)。私の知り合いのご主人たちは家事を手伝う方が多く、あながち嘘ではないのですが『みんなやってる』という言葉で夫を動かそうとしました。「具合が悪いから捨ててきて欲しい」と頼んでも「ゴミなんて捨てられるときに捨てたらいいよ」と笑顔で言われてカチンと来たので必殺「みんな作戦」を決行したのですが....いまだにゴミを捨ててもらったことはありません(泣)


 


みんながそう言っている。


みんながそう思ってる。


みんながそうだ。


みんながやっている。


そんなふうに思ってしまう傾向はありませんか?

みんなって誰ですか?


みんながそう思っているって、どうして分かるのですか?


本当にみんなそうですか?


本当にみんながやっていることですか?


あなたは本当はどう思っているのですか?


 

みんながそうだから、という理由で自分を正当化したい気持ちを悪いとは思いません。みんながそうだから、と思うことで納得したり安心したりする気持ちもわかります。(ランキングや多数決が好き)でも、みんながそうだから、という理由で思い悩んだり、自分の意思に反した行動をとるのは違うと思います。

その昔、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉が流行りました。この言葉にクスッと笑った方は多いと思います。

海外で災害が起きたとき、食料や日用品を商店から強奪していく市民の姿を何度も見たことがありますが、日本は大きな災害があってもルールを守る国民として海外から称賛されていると聞きます。でも、ルールを守っている人が多いだけで、ルールを破る人が大勢いた場合、もしかしたら海外と同じ状態になるかもしれませんよね。



時代とともに価値観の多様性は広がっていきます。新しい考え方と今までの考え方が折り合わないことが増えてきます。史実が塗り替えられていくように、信じていたことが根底から覆されることもありましょう。

同じ意見を持った人間が大勢いるからそれが正しいかと言えば、そこには疑問が残ります。マイノリティの中にこそ真実が隠されていることがあるからです。それに、みんな(周り)がそうだから、昔(自分・親)はそうだったから、だから、自分や親・子供・社会がそうであらねばならないということはありません。

「今どきの〇〇」とか「女は〇〇であるべき」などという言葉に少しでも嫌な思いをしてきた人なら、新しい生き方や思想をディスることがいかにナンセンスかお分かりですよね?自分が歩んできた道を歩いている人、これから自分が歩んでいく道を歩いている人を馬鹿にすることは自らを馬鹿にするようなものです。

周りとの協調性は必要ですし、情報は情報として知っていくことは大事ですが、自分という軸をきっちり持ちながらもステレオタイプにはならず、柔軟に冷静に物事を捉えていけたら「みんな」に影響されずに生きやすいのではと考えます。

人と違うことを悪とせず、人と同じであることを正しさの定義とせず....

自分の目で自分なりの判断ができたら、周りに振り回されて迷ったり傷ついたり、相手を傷つけたりしない自分になれそうです。

 

あなたが言う「みんな」って、あなたにとってどんな存在ですか?


その「みんな」はあなたにとって居心地の良い人たちですか?


「みんな」がいなくなったらどうなりますか?




「みんな」のために生きるあなたも素敵ですし、「みんな」を大事にしているあなたも素敵です。でも、あなたは「みんな」よりもずっと大切にされていいはずです。

 

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