先日、男性と女性って考え方が違うんだなぁとつくづく思ったことがありました。それは、夫と会話をしていたときのことです。(赤字が私の言葉、青字は夫の言葉です)
私はどうしたらいいかなって思っていて
それで
こうかな?そうかな?そうかもしれないな?
そういう考え方もあるかもな?とか、
いろんなふうに考えてはいるの
でも
自分が出した答えに心底納得できない部分があって
だけど、そうした方がいいし
そう考えなきゃなって思うし
でも、それってどうなんだろうって思うし
あぁ、もう、どうしたらいいかな
悩んでいることというか、ある出来事について自分が感じていることをこんなふうに夫に打ち明けたんです。ザックリとですが、気持ちがモヤモヤしているんだよってことを伝えたかったわけです。
私の話を聞いた夫は
そう思っているならそうすればいいんじゃないの?
そうだけど...じゃなくて
そうしなきゃダメなんじゃないの?
それしかないでしょ?
こんなふうに言ってきたのです。
いや、だからさ
分かってるんだけどさ
私がこう言いかけると即座に
だからさ、分かっているならそうすればいいだけのことじゃん
そうしたいの?したくないの?
どっちなの??
こう返事が返ってきました。どこまでいっても平行線的な会話。私が夫に求めていた「正解」は、「そうなんだ。そういうふうに思っているだね。」というような、相談に対するアドバイスというよりも同調の姿勢でした。
あのね
そういうふうに言われちゃうと何も言えなくなるんだよね
分かっているけどできないことって誰にでもあるでしょ?
それを、分かってるならやれって言われたって
できないから苦しんでるのに
バサッと切り捨てるような言い方されちゃうとさ
ますます追い詰められちゃうんだよ
そういう状態にある自分が一番嫌だし苦しいんだよ
なんでモヤモヤしている部分を「そうなんだ」って受け止めてくれないの?
いっつもそうなんだよ
解決策なんて聞いてないんだよ
ただ、今はこんな気持ちでいるっていうことを聞いてもらいたいだけなのに
なんでそんなふうに怒られなきゃいけないの
だから、何も話せなくなるんだよ
私、こういう気持ちをハッキリと伝えたのは初めてかもしれません。それに対して夫はこう言いました。
なに?
話をただ聞けばいいの?
「そうなんだ〜」って適当に相槌を打ってればいいってこと?
聞いて欲しいことがあるって言われたら、大抵「相談」であり
それに対する「アドバイス」や「解決策」を求められてるのかなって思うから
俺は真剣に答えているつもりだったんだけど
だいたい男は本当に困っているときに、ただ話を聞いて欲しいなんて思わないから
アドバイスとか解決策を聞かれていると思うから
そこで私は気付いたのです。そもそも私の伝え方が間違っていたということに。女性は他人の相談や愚痴を聞くとき、また、自分が相談や愚痴をこぼすとき、まず最初に相手に求めるのは「同調」や「共感」です。男性と女性とでは話の聞き方、答え方がまるで違って「同調」や「共感」よりも「結論」に重きを置くようなのです。
ですから、夫に対して
『解決策やアドバイスが欲しい』ときには『これについての解決策はあるかな?』とか『アドバイスが欲しいんだけど』『ねぇ、どう思う?』『あなたならどうする?』というような言い方をした方が的確だと思いました。そして、ただ話を聞いて欲しいときには『アドバイスとかを聞きたいわけじゃなくって』みたいなことを、話の中で言い切るようにしようと思いました。ただ話を聞いて欲しいのか、アドバイスや解決策を聞きたいのか、そこをハッキリさせて会話をすればいいのだという答えに着地したのです。
こんなことを思っている自分が嫌だ、最低だ、おかしいのかもって思っているから
「そうなんだ」って受け止めてもらえるだけで安心するの
モヤモヤしている気持ちがあるんだってことを知ってもらって
分かってもらって
「そうなんだ」って言ってもらえるだけで気持ちが軽くなるの
どうしたらいいかなんて本当は分かってる
それができなくて苦しくなってるんだから
だから、分かってることを言われるのが一番辛い
「そうなんだ」って話を聞いてくれるだけでいいってこともあるの
今回は私の話し方がいけなかったね
解決策をあなたに聞いてるわけじゃない
ただ話を
今の私はこういう気持ちでいるんだよってことを聞いて欲しかっただけ
夫に相談を持ちかけると結論重視で、結論に至るまでの繊細な心の道のりを分かち合える感覚に乏しさを感じていました。夫の考え方は概ね私の理想とする考え方に近いため、激しい議論や対立はなかったけれど、いつも「分かってもらえてない」「ちゃんと話を聞いてくれない」という寂しさがありました。
しかし、夫はいつも全力で答えを導きだそうとしてくれていたのです。私の悩みを解決するために必要なことをストレートに伝えていただけなのです。今回話をしてみて、自分が相手に何を求めているかをきちんと伝えなかったことで誤解を生んでいたことを知りました。それが、気持ちにすれ違いをもたらすこともわかりました。
話を聞いて欲しいならそう言って。いつでも聞くから。
解決策を知りたいときはそう言って。考えるから。
会話の最後に夫はこう言ってくれました。
相手が何を求めているか
それを正確に知ることは簡単ではありません。まずは自分が相手に何をして欲しいのか、どうして欲しいのかを相手に丁寧に伝えることは大事だと思います。感情をぶつけるだけでは不親切なのです。
最後にタレントの長嶋一茂さんのエピソードを紹介します。
ママ友だったかご近所さんだったか忘れてしまいましたが、長嶋一茂さんの奥様がある人物についてとても腹を立てていたことがあったそうです。そのとき一茂さんは奥様の話を一通り聞いて、「なんだと!?」と奥様よりも激しく腹を立てて、奥様よりももっとその人を悪く言い放ったそうです。すると、一茂さんの剣幕に驚いた奥様は「まぁまぁ、そこまで言わなくても」と言って怒りが収まったというお話でした。
一茂さんの中で、実は奥様の話はどうでもいい話だったようです。でも、怒り心頭の奥様にそんなことを言ってはダメだし、相手をフォローしたり奥様をたしなめたりすることは火に油をそそぐことだと思ったんですね。奥様が何に怒っているかが問題じゃなくて、奥様が怒っているという事象に同調し、共感することで奥様は「夫に分かってもらえた」「何かあっても夫が味方になってくれる」と安心されたのだと思います。
一茂さん、ナイスな対応だな〜って感心しちゃいました。
夫婦の会話で噛み合ってないな、分かってもらえてないなと思うところがあったら、
相手が何を求めているか
をちょっと考えてみてはいかがでしょうか。
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