時間や場所を問わずに悩みを相談できる、メールカウンセリング

mental counseling

コラム

2019.06.27 

コラム

思春期を振り返って

こんにちは。

未成年が起こした重大な事件を聞くと、その子の親はどんな人だったのか、どういう家庭だったのか、親や周りは異変に気付けなかったのか、この子はどんな性格だったのか....などと思いを巡らせてしまいます。

「親がああだから子供がああなっちゃうのも当然よね。」

子供の素行が悪いと、その子供の親も同じような目で見られて批判されることが多いのではないでしょうか。私も誰かにそんなふうに言われていたかもしれません。

やんちゃな子供の親に対して

放任しているのではないか?


無責任な親なのではないか?


家庭環境が悪いのではないか?


教育がされていないのではないか?


愛情が不足しているのではないか?


と、大抵の人が考えるかもしれません。私もそう思うことはありましたし、実際にそういうご家庭があるのも知っています。でも、そこに当てはまらない家庭もあります。してはいけないことを教え、諭し、注意して育ててきても、子供の行動範囲は成長にしたがってどんどん広がり、親の知らない世界を持つようになります。思春期くらいの子供なら、自分の意思で物事の善悪を判断し、行動しているはずです。知恵もありますから、何をしたら怒られるかもわかっているでしょう。ところが、悪いことと知っていながら好奇心やノリで羽目を外してしまうことはありますし、どんなに家族関係が良好であっても、親の目が届かないところで子供がふらっと道を踏み外すことは十分にあり得ることです。

でも、

「お子さんが問題を起こす理由として考えられるのは、愛情不足、指導不足、監督不足、躾不足.... 」

こんなふうに「○○不足です」と言われると「そんなことはないのだけど...」と心で反論しつつも、子育てに自信がない私は真っ向から『〇〇不足』を否定できませんでした。

 



 

度重なる子供の問題行動に「なぜ??」という思いでいっぱいでした。その「なぜ??」が

『私の躾が行き届かなかった結果』


『悪いのは私』


という自責の念に変わり、

なんでこんなことになってしまったんだろう?


どうしてあんなことをする(してしまった)んだろう?


私の育て方(教育)のどこがいけなかったの?


家庭の問題はどこにあるの?


これからこの子はどうなってしまうの?


こんなふうに精神的に追い込まれていました。「私の育て方が間違っていたから悪いのは私で子供たちではない」とさえ思っていました。親としてどうあるべきか、子供とどう関わるべきかを夫婦で何度も考え、話し合い、家庭内がギクシャクしていた時期もありました。今の私なら、当時のようにやみくもに自分を責めたり、子供たちを変にフォローしたりはしないでしょう。なぜなら、迷惑をかけた、悪いことをしたのは私ではなく子供だからです。親としての責任は重く受け止めますが、「私がしつけを怠って起こった出来事なのだから私が悪いのだ。」という考え方は違いますよね?これは「私は悪くない!」という意味ではありません。「私が悪い!」と言ってしまうのは違うよね?ということです。子供がしたことを親が変にかばって「私(親)が悪い」と言ってしまうことは、子供に良い言い訳を作ってしまうのと同じことだと思うのです。

■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■


もしもお子さんの素行が悪いことで悩んでいて、それを自分のせいだと思っている方がいたら伝えたいです。私がこんなふうに思えるようになったのはある程度の時間が経過したこともありますが、

『自分たちの教育が悪かったから』という自責の念を唱えるだけでは問題解決に至りません。また、いくら親が『自分たちの教育は正しかった』と思っていても、親の思いとは全く違うところで起きてしまう問題などいくらでもあります。

親だからわからないこと、見えてこないことは意外とあるものです。客観的な意見を求めたいと思った時は相談する相手によって返ってくるアドバイスは変わってきますから、答えを一つと決めつけないで欲しいと思います。正解がないのが子育てなのですから、答え(考え方・取り組み方)がいろいろあることを知ると、「子育てっていろいろで良いんだ」と気持ちが楽になることがあります。



お子さんの問題に応じて相談する場所や、親御さんをサポートしている機関がたくさんあります。警察の少年課、児童相談所、役所、小児科、心療内科、ママサークル。これから入る学校にはスクールカウンセラーがいるかもしれません。

今はSNSで気軽に気持ちを発信することもできますし、同じような境遇の方と知り合い、励ましあうことも可能です。電話相談、カウンセリング、NPO法人などが立ち上げている支援機関なども活用できるかもしれません。

■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■-□-■


息子と娘、それぞれが起こした問題、抱えた問題は、私の思春期にはなかった問題でした。そして、子供たちは俗にいう『不良』とは違いますが、『普通』とも違う学生生活を送りました。私があえて避けて通ってきた道、見たいとも思わなかった世界を、まさか我が子を通してこんなふうに歩かされるとは思いもしませんでした。

親子っていうのは血の繋がりはあっても全くの別人格なんですよね。そんな当然のことを改めて思いました。似ているところはあるけれど、親の中には存在しないものを持って生まれてきているんだなと今も日々痛感しています。

 

 

私も、悩んでいる方の窓口のひとつとしてメールカウンセリングをしています。お問い合わせやカウンセリングのお申し込みはこちらから