令和になって最初の投稿です。
東京都町田市に住み始めておよそ16年が経ちました。私は生まれも育ちも神奈川県川崎市。町田に越してくる前は、川崎市多摩区に住んでいました。同居が解消され、ようやく家族水入らずになれた「始まりの場所」でしたが、金銭的にも精神的にもとても大変な時期を過ごした場所でもあります。
これからお読みいただくのは、夫と久々に以前住んでいた場所(街)を車で通った時のこと(思い)です。
車の助手席から見える、数年の間暮らしていた街の懐かしい風景。時間がどんどん巻き戻されていく感覚....
幼稚園の送迎バスが停まる場所、子供たちが遊んだ公園、通った小学校、歯科医院、小児科。いつも買い物をしていたスーパー、銀行、郵便局。開店を喜んだラーメン屋、利用していたレンタルビデオ屋とコンビニエンスストア。
懐かしいものを見るたび、その場所に自分の過去の姿が亡霊のように見えていました。
子供を背負って自転車で走り抜けた道...
唇を噛み締めながら無我夢中で生き延びようとしていたあの頃の自分の姿を、景色の中にずーーっと見ていました。
辛かった。
悲しかった。
悔しかった。
怖かった。
不安だった。
淋しかった。
そんな、毎日を思い出すと涙が溢れてきて止まらなくなりました。
あのとき、私は確かにここにいた。この道は、確かに私が歩いてきた道だ....
多額の借金を抱え、いつも不安で泣いていた。子育てが大変でイライラしていた。誰にも相談できずに苦しくてもがいていた。夢を見ることなんてできなかった。憎んだり憎まれたり、恨んだり恨まれたり、嘆いたり嘆かれたりして、温かい愛に飢えていたあの頃。
過去の私は亡霊のようにこの街をさまよってる。だけど、あの頃の私はもうどこにもいない。そろそろ亡霊のままさまよい続けている自分を成仏させてあげなくっちゃ。
次にこの道を通っても、私はもう泣かない。思い出しても、もう泣かない。頑張ったんだもん。越えたんだもん。もう、過ぎた日のことだもん。
運転をしている夫の横顔をチラッと見て思いました。
「私はこの人と一緒に乗り越えてきたんだな」と。
やっとここまで来たんだもの。いつまでも過去を振り返って感傷にひたっていても仕方ない。終わったことだ。過ぎ去った日のことだ。自分が歩いてきた道を、夫と歩んできた道を、笑顔で振り返らずにどうするの!?
大切なのは、今、ここから。
景色の中の過去の私の亡霊が、私に気が付いて私を見た気がしました。大丈夫だよ。辛い時間は長く続かないよ。見て、私は笑っているよ。幸せを感じてるよ。
亡霊に語りかけた途端、目の前に広がっていた景色がまるで違う景色に見えたのを今でも覚えています。私はもうあの時の私なんかじゃないんだ。違う場所で違う生活を送っているんだ。
さよなら。ここにいた時の私。
ありがとう。頑張った私たち。
あの時の私たちがいたから、今の私たちがいる。
今を生きているから過去の意味が分かる。今を生き延びたら明日がくる。明日になったら今もただの過去になる。
いま、ここ
過去に囚われない生き方ができたら、きっと、未来への不安も捉え方が変わってきます。
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