時間や場所を問わずに悩みを相談できる、メールカウンセリング

mental counseling

コラム

2019.10.26 

コラム

過去を引きずって生きていくことほど

こんにちは。

随分と長い間更新をしていなかったことに驚いてしまいました。コラムの投稿をお休みしていた期間、毎日があっという間に過ぎていました。そう思うのも今だから思えるのでしょうが、とにかく、相変わらず波乱に満ちた時間を過ごしていた次第です。

『もういい加減、こういう人生はやめようじゃないか』と私が思ったところでどうにもなりません。私は一人で生きているわけではなく、家族やたくさんの人たちと関わって生きているからです。私は一人では生きられません。経済的な面はもちろんのこと、大好きな、大切な人たちのいない人生など私には考えられません。なんだかんだどんなことがあろうとも、私は幸せなのだと思います。ですから、自分ができることをまだ本気でやっていないうちから、この先にあるかもしれない『願望が成就された世界』を諦めてしまうことはできません。

お花畑でルンルンしているような幸福感を感じているわけではありません。老け込んでしまうような悩みや心配事ばかりです。それでもなお「幸せだ」と言えるのは不本意な出来事から気持ちを立て直そうと思ったときに、幸せや愛情についてより深く考える機会を与えられたことに感謝できたからです。

気づいたらそれが幸せだった...

手放したのは幸せだった...

そんなエンディングは真っ平御免です。だから、今が幸せじゃなかったら嫌だし、幸せではないって思うのも嫌だし、この波乱に満ちた人生も、身を削られるような出来事の数々も、

「ほらね、幸せだったでしょ?昨日までは」っていちいち幸せを確認させられているような気がして....だったらいっそのこと、嘘でも本当でもいいから「私は幸せです」って言っていた方が幸せな気もしています(笑)



今日辛かったこと、嫌だったこと、それは、明日になれば過去になります。どんなに悲しい別れがあっても、苦しみを味わっても、絶対に次の日がやってきて、当たり前のようにその次の日もあって、次も次も次も....ずっと、時間が繋がっていて、その中で私は生きるしかありません。『生きていく』という、それしか選択肢がありません。残酷だと思うし、どうしてって思うし、どうにかしてって思う気持ちもあるし、どうにかなるさって思いたい気持ちもあります。

今の悲しみや辛さだけではなく、過去に経験した辛い体験や経験による心の傷もずっと連れて今の人生を生きている私。過去の怒りや絶望を引き連れて、今の困難な状況も受け止めている状態は、誰の目から見ても、当人である私から見ても尋常ではありません。もしも、今の私と同じような生き方をしている人が周りにいたら、なんて言葉をかけて良いか悩むかもしれません。なぜなら、悩んでいる本人が悩みの根源である『過去』や『苦しみ』を手放さずに守り抜いているからです。

楽しかったことも含め、辛かったことや過去を思い出に変えてくれるのは時間です。その時間って人それぞれかかる時間が違いますよね。すぐに忘れちゃう、忘れて前に進める人もいれば、そうでない人もいます。「時間が解決してくれるよ」ってよく言われたけど、「どれだけかかるの?」「いつ解決してくれるの?」って思っている部分が未だにあります。

それだけ、傷ついたのだと思います。そのときの自分を忘れられたくないから、自分だけはちゃんと覚えていなくちゃって、忘れてたまるかって思いもあると思います。でも、それが辛くて苦しんでいるなら、やっぱりね、過去を引きずって生きてちゃダメだと思うのです。過去って言っても一年前とか十年前とか昔のことばっかりじゃありません。昨日のこともさっきのことも、今この瞬間以外のことは全部過去になります。



頑張っているのが自分だけのように思えて、それが、とてつもなく虚しくて、悲しくて、悔しくて、バカみたいで。何もかもが嫌になって面倒くさくなってしまって。誰も何も信じられないし、「前向きになろう」って言われても前向きになれたらこんなに苦しかないわいって思っちゃったりね。最近、こういう気持ちを抱えてる人に出会って、もしかして、私もこんなふうに過去や過去の怒りにとらわれているの?だとしたら、すっごく嫌だって思いました。

「そんな過去よりも、そうなりたいって思う未来のために進んで欲しいし、幸せになってもらいたい」って、その人を見て心から思いましたし、正直にそう伝えました。過去に囚われていてすっごく勿体無いと、なんだかすごく悔しく思えました。今のあなたには過去よりも大事な未来があるのに、この先訪れるかもしれない幸せをどうか『過去という化け物』に囚われて諦めないで欲しかったけれど、結局その人は過去の負の感情に支配され、闇から抜け出せないまま私の目の前から消えてしまいました。

 

許さなくていいし、忘れなくてもいいです。前向きっていう「前」がどこなのかわからないことがあってもいいです。でも、自分の手を取ってくれる人がいたら、その人を信じてもらいたいなと思います。悲しいことに人の感情の中で最も強いのは「愛情」ではなく「怒り」なのだそうです。愛情と怒り・憎しみは表裏一体なところがあるので、自分の愛情が受け入れられなかったり、理解されなかったりすればするほど怒りのパワーは勝るでしょう。私はその怒りのパワーよりも強いパワーが癒しだと考えています。

ですから、如何にもこうにも「自分を癒す」ことを知ること、学ぶことは大事なことだと思います。自分が傷ついたという事実は自分からは消えません。でも、その傷を癒していくことはできます。傷が癒えていけば、きっと、「時間が解決してくれる」の意味もわかると思います。



 

目の前に過去の出来事にとらわれて辛そうにしている人がいたら、その出来事を無理に忘れさせようとしたり、その人を否定したりせず、まずは「そうだったの」って受け止めてあげて欲しいです。そして、元気づけたり励ましたりするより前に、何がその人にとっての癒しになるのかを一緒に考えてあげてもらえたらと思います。「そう思う気持ちはわかるよ」って言ってもらえたら、「そうだったんだね」ってわかってもらえたら、「そんなことがあったんだね」と受け止めてもらえたら私は嬉しいです。

「頑張って」「元気出して」「忘れた方がいいよ」

という励ましは、癒しの後の方が嬉しいです。癒されたら頑張ろうって思えるし元気になります。そう思いませんか。

過去を引きずって生きづらい方へ。



あなたは十分傷ついて苦しみました。もうそろそろ違う人生を歩んでいいと自分に許可してください。あなたが望んでいるのはもっと違う人生ではないですか?あなたがされて嫌だったことを、あなたが誰かにしていませんか?

メールカウンセリングのお申し込み、お問い合わせはこちらから