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mental counseling

コラム

2019.04.18 

コラム

最初の一歩も踏み出せないとき

こんにちは。

独身時代に勤めていた病院には同期の友人が多くいました。みんな優しくて面白くて個性豊かな人たちばかりで、慣れない職場での失敗も不安も同期の存在で随分と気持ちが楽になったものです。残念ながら今ではほとんどの人たちとご縁が遠のいてしまいましたが、今は職場で後輩を指導し、部署の中で優秀なスタッフになっていることでしょう。

多くの同期の中で結婚後も何度か会っていた友人がいました。真面目で誠実で優しくて、先輩からも後輩からも同期からも慕われていた人でした。私はその人をとても信頼していて、いつしか自分の身の上話を聞いてもらうことが増えました。

その人は自分のことはあまり話しませんが、私の話は黙って聞いてくれる人でした。結婚して同居して、子育てをしていた私にとって、私の話に耳を傾け慰めてくれるその人の存在は今でも宝物です。その人がいなかったら、今の私はなかったかもしれないと思えるほどに。

あるとき、いつになくその人が元気をなくしていたときがありました。詳しい話はしませんでしたが、次第に責任のある仕事を任されるようになって、上司からの期待を背負い始めていたときだったと思います。いつも励ましてもらっている人に、今度は私が元気をあげたいと思いましたが仕事半ばで辞めてしまった私にアドバイスできることなどありません。

そんなとき、空を見上げた先には美しい星空が広がっていました。



「ねぇ、すごく星が綺麗だよ」

そう私が言うと、その人はクッと空を見上げて

「本当だ。そういえば空を見上げることなんて久しぶり...」

と笑顔になりました。嬉しくなった私は、歩きながらその人の手をぎゅっと握りました。驚いて私を見たその人に私はまた言いました。

「ねぇ、手を繋ぐとすっごく安心しない?」

すると

「そうだね。あったかいね」

その人はさらに笑顔になってくれました。

このときのことを20年以上経った今も思い出します。心が通い合った瞬間、胸にじんわりとあったかいものが生まれました。人と心が通うって嬉しいな、楽しいな、幸せだなって心から思いました。

ただ空を見上げただけ、ただ手を繋いだだけ。それだけのことだけど元気になれちゃう。「手を取り合って」っていう言葉がありますが、手と手が繋がるって精神的にもすっごく癒されますよね。

 

凹んだとき、問題が発生したとき、壁を乗り越えようと必死になっているとき、がむしゃらに頑張らないといけないとさらに自分を追い詰めてしまいがちです。大きな一手をうとうと考え、一気に問題を解決しようと試み、何か最初の一歩を踏み出さなければならないような感覚にさえ陥ります。

でも、でもね。

最初の一歩も踏み出せないようなときにあっても、ほんの少し視点を変えたらね、気持ちが楽になることもあるんだよってことを覚えておいて欲しいなって思います。

自分の周りには広い世界があります。宇宙から見たら自分の存在がやけに小さく見えて、そんな自分が抱えている問題はチリのように小さい(笑)って思えたりね。自分よりももっと大変な人生を歩んでいる人が同じ空の下で必死に生きているんだよなぁって思えたりもします。

私がメールカウンセリングを始めたのは誰かの最初の一歩になれたらいいなと思ったのがきっかけですが、最初の一歩を踏み出すってとてもパワーがいることです。疲れ果てているとき、一歩を踏み出すことすら難しい状況はあります。

そんなとき、ちょっと空を見上げてみてください。道の脇に咲く小さな花に目を向けてみてください。前髪を揺らす風を感じてみてください。太陽の光をちょこっと浴びてみてください。それだけで、生きていること、生かされていることに改めて気が付いて、前向きに心が動くことがあります。

そういえば、私も最近空を眺めていませんでした。疲れて下を向いてばっかりでした。今日は久しぶりに星空を眺めて家に帰ろうかな。きっとそこには星が美しく瞬いているはずだから。それが、明日への希望の光になるはずだから。

 

あの人は今も星空を眺めることはあるのかな〜。同じ星空を見てることがあるのかもしれませんね。

 

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